清潔な環境でなければ治療の効果は期待できません。それはナイチンゲールの行動が証明しています。患者さんと接することが多い看護師の服装も清潔を意識しなければならないため動きやすい白衣を着ているわけですが、それだけではないんです。白衣を着ることによって患者さんに安心感を与えることができ、仕事にも集中しやすくなるといったメリットもあるんですよ。白衣は汚れたら都度着替えるのが鉄則ですが、そのためには最低でも3枚~4枚は必要です。
日本では1885年頃から看護師を育成する教育カリキュラムがスタートしました。はじまった当初は、状況に合わせて平常服と式服の2種類を着ていましたが、1937年の日中戦争の頃になると、長袖のロングワンピースタイプに統一されました。1960年代にはデザイン性を重視するようになり、ワンピースタイプだけでなくパンツスタイルも登場するように。近年はさらに実用性が高いスクラブが人気です。このように看護師の白衣は時代とともに変化しているんですよ。
白衣を着るメリットは何といっても洋服選びに悩む必要がないことでしょう。私服ならTPOや状況に合わせた服装を心がけなければなりませんが、決められた白衣を着るだけなので簡単です。しかも、同じものを複数枚用意しているので汚れてもすぐに着替えることができるんです。洋服に気を取られないので仕事にも集中できますよ。また、スタッフが全員同じものを着ているので一体感も生まれやすい、といったメリットも。そこで働くスタッフの正しい姿を意識するようになるのでマンパワーを高める効果もあるんです。
白衣は汚れたらその都度着替えなければならないので洗い替えも必要です、最低でも3枚~4枚は欲しいところですが、個人経営などの規模の小さな病院では支給される枚数が少ないため、「気軽に着替えたくてもできない」なんて声も聞かれます。足りない場合は自分で購入するしかありませんが、購入費用は支給されないので「仕事で使うものなのに」と納得できない人もいるようです。一方、大学病院など規模の大きな病院は個人に支給される枚数も多く、院内にもストックがあるので汚れたら躊躇なく着替えができます。