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白衣は看護師の歴史と深く関わっている

長い歴史の中で白衣はどのように変化したのか?

看護師と白衣の歴史

看護師と白衣の歴史

看護師といえば白衣を着て献身的に患者さんを看護している姿を思い浮かべる人も多いことでしょう。ですが、いつから白衣を着るようになったのでしょうか?

まずは看護師の歴史を辿ってみよう

看護師の起源は中世ヨーロッパにまで遡ります。そもそも、看護師はカトリック教会の修道院の人たちが病人を看護したのがきっかけでした。修道院の人たちが帽子のようなベールをかぶっていたことから看護師もナースキャップをかぶるようになったといわれています。今は「衛生的ではない」という理由でナースキャップは廃止となりましたが、少し前までは看護師といえば白衣とナースキャップが定番でしたよね。
清潔なイメージが強い看護師ですが、当時は今とは全然違い、不潔でだらしないというイメージが強かったのです。そのイメージを大きく変えたのが「近代看護教育の母」や「白衣の天使」とも呼ばれるフローレンス・ナイチンゲール。ナイチンゲールは1853年~1856年にクリミア半島で繰り広げられていた戦争に看護師として従軍していました。野戦病院に日夜問わず運ばれてくる患者さんを献身的に看護し続けるナイチンゲールの姿は人々に大きな感動を与え、看護師に対するイメージを大きく変えたんです。
ナイチンゲールが治療の際に細心の注意を払っていたのが衛生管理です。包帯を毎日変えるなど清潔な環境で治療することを徹底し、その結果、傷病兵の死亡率が大きく低下しました。治療の際、ナイチンゲールが着ていたのがワンピースに白いエプロンだったことから白衣の天使と呼ばれるようになりました。

日本でも看護師の育成がスタート

ナイチンゲールの逸話は世界中に広まりました。もちろん、日本にもその話は伝わり、1885年には看護師を育成する教育カリキュラムがはじまりました。教育がはじまった当初は上着が筒袖で長いスカートのような袴に白いエプロンをつけた平常服と、詰襟で裾の長いスカートの式服の2種類をそれぞれ状況に合わせて着ていました。現在の白衣が導入されたのは1937年の日中戦争の頃です。長袖とロングスカートのワンピースタイプの白衣で、それ以降全国の医療機関でこのスタイルが踏襲され、白衣がようやく普及するようになりました。
1960年代になるとデザイン性を重視するようになり、1970年代にはワンピースタイプだけでなくパンツスタイルの白衣も導入されました。とはいえ、主流だったのはワンピースタイプで、パンツスタイルが本格的に普及しはじめたのは1990年以降とだいぶ経ってから。感染リスクを防ぐためや俊敏性などからパンツスタイルの白衣を着る人が増えたんです。近年はさらに実用性の高いスクラブが広く普及しています。

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