看護師のユニフォームである白衣ですが、支給されているから身につけているわけではありません。もちろん、清潔さを重視するために衛生的な衣服を着る必要はありますが、動きやすい、着替えやすい、マンパワーが高められるなどさまざまなメリットがあるんです。
「白衣を着ることでスイッチが切り替わり仕事のパフォーマンスが上がる」という人もいます。それは、働きやすい機能が備わっていることはもちろんですが、私服から白衣というユニフォームに着替えることでオン・オフの区別がつけやすくなる、というメリットがあるからです。
それに、私服だと毎日何を着るのか悩んだり、汚さないように注意しなければなりませんよね。ですが、白衣の場合は洋服選びに悩む必要がなく、同じものを複数枚用意しているので汚れてもすぐに着替えることができます。洋服に気を遣うことなく仕事に集中できるので効率もアップします。
日本では昔からスタッフの士気向上や業績向上のアイテムとしてユニフォームが使われてきました。ユニフォームを着ることによってそこで働くスタッフの一員である、という心構えやふさわしい行動を取るように意識を促す、といった効果が期待できるからです。身につける衣服は感情にも大きな影響を与えます。同じユニフォームを着てマンパワーを高めているんですね。
ユニフォームは着ている本人だけでなく、まわりの人の感情にも影響を与えます。たとえば、警察官や配送員はユニフォームを着ているだけでどのような社会的役割があるのかすぐに見分けることができますよね。看護師もそうです。白衣を着ていることで「看護師」という役割があることが一目でわかるし、同時に信頼と安心感を与えることができるんです。
もともと手術着として使われていたスクラブ。機能性が優れていることから、1990年代以降のアメリカの医療現場でスクラブがナースウェアとして流行しました。日本でも病院や介護施設を中心にスクラブが広まっています。
スクラブが人気なのは、動きやすくて圧迫感がないから。丈夫な素材なのに、薄くてTシャツ感覚で着れるのがいいですよね。しかもスクラブは他のタイプと違って洗濯がしやすい、というメリットも。これまではクリーニングに出すのが一般的でしたが、自宅で簡単に手入れできるとあってスクラブに切り替える人も多いようです。
清潔感や動きやすさが重視される医療現場ではスクラブの方が使い勝手がいいんでしょう。速乾吸収性に優れたものもあり、血や汗を吸収して院内感染のリスクを抑えるなど衛生環境を守ることを考えるとスクラブを使用する人が多いのもわかりますね。